年長になると増える「就学前相談」
年長さんにもなると、就学前の相談が一気に増えてきます。
それは、こども園での相談だけではなく、
療育での相談、
さらに、市町村が実施している 「就学前相談」 というものがありました。
私の住んでいる地域では、
教育委員会の方との面談が行われました。
教育委員会との面談は、想像以上に緊張した
その面談には、教育委員会の方だけでなく、
ランダムに選ばれたこども園や幼稚園の園長先生、
臨床心理士の方なども同席されていました。
もちろん、息子のマリオの相談を申し込みました。
こども園の担任の先生も一緒に来てれる、
ということだったので、それだけが本当に心強かったです。
「就学前相談」は“決定”ではなく“相談”
就学前相談では、事前に相談内容を提出し、
当日にその内容をもとに話をします。
この相談は、言葉通り 「相談」 なので、
言われた通りにしなければいけない、
絶対にそう決まる、というわけではありません。
……それでも。
言われたことは頭に残るし、
かえって悩みが増えたり、
不安が大きくなったりもします。
「教育委員会」という言葉だけで、
正直かなりビクビクしていました。
当日は緊張で泣きそうだった
相談当日。
予約の時間に会場へ向かいましたが、
緊張しすぎて、会場に入る前から泣きそうでした。
言葉を発そうとしただけで、
体が震えて止まらず……。
担任の先生が
「緊張する〜」と笑ってくれましたが、
私は返答すらできず、
苦笑いしたまま顔が固まってしまいました。
相談時間は、30分ほどだったと思います。
担任の先生から伝えられた園での様子
まず、担任の先生から
普段のこども園での過ごし方や、
気になる点、小学生になるまでの課題について
話がありました。
この内容は、事前に打ち合わせをしていたので、
落ち着いて聞くことができました。
必死に伝えた、マリオの特性
その後、
私が事前に用意していたメモを
震えながら読み上げました。
もう必死です。
声は小さい
手は震える
字も読めない
今思えば笑えますが、
その時は本当に必死でした。
相談した内容は、
授業中に座っていられるか不安なこと
言葉が出にくく、手が出てしまうことがあること
全体への指示が理解できるかどうか
緊張するとウロウロしてしまうこと
嫌な気持ちでも表出できず、笑ってごまかしてしまうこと
事前に提出した内容を補足するような形で、
一つひとつ相談しました。
「お母さんは、どうしたいの?」
そして、最後に聞かれた言葉。
「結局のところ、お母さんはどうしたいの?」
正直、分かりませんでした。
小学生になるということが、
どういうことなのかも分からない。
初めての子育てで、
想像すらできませんでした。
だから、そのまま
「分からないんです」と伝えました。
今でも忘れられない、心理士さんの言葉
そのとき、
臨床心理士の方が、こんな言葉をかけてくれました。
「お母さん、マリオくんにどうしてあげたいですか?
これから長い人生を生きていかないといけない中で、
お母さんが先回りして、
マリオくんにとって障害になるものを
すべて取り除いていくのでしょうか。それとも、
一歩ずつでも、乗り越えていける子になってほしいですか?」
この言葉は、
今でも忘れられません。
子育てで心が折れそうになったとき、
疲れてしまったとき、
気分が落ち込んだとき。
何度も、この言葉を思い出しています。
教育長の言葉が、背中を押してくれた
さらに、
教育委員会の教育長が、こんな話をしてくださいました。
「今は昔と違って、
いろいろな子どもがいて当たり前の時代です。得意なことも、苦手なことも、
一人ひとり違います。だから、いろんな子がいておもしろい。
マリオくんの苦手なところは、
みんなでカバーすればいいんです。周りに迷惑がかかるかも、
と思わなくていいんです。」
その言葉に、
少し心が軽くなったのを覚えています。
親として、たくさん悩んだ
マリオはこれから先、
私よりも長く生きていかなければならない。
いつか親は、先に旅立つ日が来ます。
そのあとに残されたマリオが、
自分の力で生きていけるように。
一歩ずつ、少しずつでもいいから、
自分で乗り越えられるようになってほしい。
でも――
つらいこともある
友達とのトラブルもある
周りの親にどう思われるか分からない
「同じクラスだと迷惑」
「違うクラスにしてほしい」
そう思う人がいるかもしれない。
それでも、
マリオの人生にとって、
どんな選択が一番いいのか。
たくさん、たくさん悩みました。
最後の決断
療育の先生、
こども園の先生と、何度も話し合いました。
そして、
最後の決断を後押ししてくれたのは、
心理士の方の あの言葉 でした。
マリオを、通常クラスに入れる。
それが、
私たちが出した答えです。
