小学校・通常クラスを選んだあとに知った「通級」という選択肢
たぶん今は、小学校に入学する前の段階で
「支援級」だけでなく「通級」という選択肢があることを、
どこかで教えてもらえる時代になっているんだと思います。
でも、息子のマリオが小学生になる頃には
「通級」という言葉すら、誰からも教えてもらえませんでした。
小学校へ入学前に相談へ行った時も、
療育の先生とのやりとりの中でも、
「通級」という制度について、はっきり説明された記憶はありません。
……もしかしたら、
療育の先生から一度は話が出ていたのかもしれません。
でも当時の私は、
✔ 支援級
✔ 通常クラス
この二択で頭がいっぱいで、
「通級」という仕組みを理解できていなかったのだと思います。
そうしてマリオは、
特に支援のないまま、通常クラスでの小学校生活をスタートしました。
学校からの一本の電話
ある日、学校から一本の電話がかかってきました。
「マリオくんの学校生活について、お伝えしたいことがあります。
一度、学校でお話できませんか?」
マリオは家で、学校の話をほとんどしませんでした。
「今日どうだった?」と聞いても
「べつに」「ふつう」と返ってくるだけ。
正直、
どんな学校生活を送っているのか、
親としてとても心配していました。
だからこの電話は、
「やっと話が聞ける…!」という気持ちが半分。
……でも今思えば、
学校から“呼び出しの電話”って、だいたい良い話じゃないですよね。
担任の先生との面談で感じた、違和感
約束の日、学校へ行き、担任の先生とお話をしました。
マリオの学校での様子、
困っている場面、
先生なりに工夫してくださっていること。
ひと通り話を聞いたあと、
先生から、こんな言葉がありました。
「マリオくん、こども園では支援の先生がついていましたよね?
どうして小学校では、通級にも入っていないんですか?」
……ん?????
頭の中が「???」でいっぱいになりました。
正直、
ツッコミどころが2つありました 笑
① こども園で支援の先生がついていた?
え?どこ情報?
そんな話、したことありました?
確かに、最初に通っていたこども園では
「支援の先生をつけたいから、発達検査を受けてほしい」
と言われたことはありました。
でも、就学前に通っていたこども園では
支援の先生はついていません。
担任の先生と副担任の先生だけ。
それは後から、きちんと園にも確認しました。
やっぱり、
支援の先生はついていなかった。
先生の勘違いだったのか、
どこかで情報が混ざってしまったのか…。
なんだか、最初から少しモヤっとしました。
② 「通級」って、何それ???
そして、もう一つ。
「通級に入っていないんですか?」
……いやいや、
通級って何ですか?
そんな制度、
いつ、誰から、どこで説明されましたか?
プリントにも書いていなかったし、
入学前の相談でも聞いていません。
こちらは
「初めて子どもを小学校に通わせる親」です。
先生にとっては当たり前でも、
知らないものは、知らないんです。
「ご存じだと思っていました」
そう言われましたが、
正直、
**「知るわけないじゃん…」**という気持ちでした。
通級は“すぐ入れるもの”じゃなかった
さらに先生から続いた説明。
・通級は、申し込んでもすぐに入れるわけではない
・通級の先生は、複数の学校を1人で担当している
・枠が空かないと入れない
・空けば、翌年から入れるかもしれない
そして
「とりあえず、申請書を出してください」
……なんだか、気分のいい話ではありませんでした。
もっと早く教えてもらえていたら。
入学前に選択肢として知っていたら。
そう思わずにはいられませんでした。
通級って、どんなところ?
通級は、
週に1時間だけ、通常クラスを抜けて別室で受ける授業です。
先生とマンツーマン、もしくは少人数で、
その子に合わせた内容を行います。
マリオの場合、
・算数や国語の学習補助
ではなく、
・気持ちの整理の仕方
・お友達との関わり方
・落ち着く方法を一緒に探す
・安心できる時間を持つ
そんな時間でした。
「勉強ができる・できない」ではなく、
“生活しにくさ”に寄り添う時間だったと思います。
通級に入れたのは、1年生の夏休み明け
ありがたいことに、
1年生の夏休み明けから、通級に入ることができました。
理由は分かりません。
枠が空いたのか、
高学年の子が通級を卒業したのか…。
でも、
このタイミングで通級に入れたことは、
マリオにとって、とても大きな出来事でした。
忘れられない、通級の先生
そして、
この時の通級の先生が
本当に素敵な先生だったんです。
「実はね、うちの子も困りごとがあってね」
そう話してくれた先生は、
マリオの気持ちに、驚くほど寄り添ってくれました。
通級の日は、
それまで渋っていた学校にも
少し楽しそうに行くようになりました。
たった1時間。でも、居場所があるということ
先生との相性、
学校の雰囲気、
いろいろな条件はあると思います。
でも、
週にたった1時間でも、安心できる居場所がある
それだけで、
学校という場所が
「しんどいだけの場所」から
「行ってもいい場所」に変わることがあります。
あの時、通級に出会えていなかったら。
マリオの小学校生活は、
また違ったものになっていたかもしれません。
